筋ジスと

筋ジスのこと、たまには筋ジスと関係ないことも。思うままにつらつらと。

針筋電図検査と筋生検

今日は診断がつくまでの検査が痛すぎる!というお話。

 

私の筋力低下について、当初「脊髄性筋萎縮症」と「筋ジストロフィー」が疑われていて、

確定させるために、入院して検査をすることになりました。

 

連日、血液検査、CT、MRI、眼科や耳鼻科の検査もして色んな病気の可能性を消していきます。

で、そこまではいいのですが問題は針筋電と筋生検。

これがものすごく痛いのです。

その時点でもし病名が確定したところで治療法はない難病のもよう。

治るための苦痛なら頑張れても、診断だけのためには頑張れないよーー!!

ということで、当時の日記を見ると病院でよく泣いていたようです。

(10年位前だけどもうよく覚えていない)

 

まずは針筋電図検査、通称針筋電。

これは筋委縮の原因が神経のせいなのか、筋肉そのもののせいなのかをはっきりさせる検査です。

まず、そこそこ太い針を腕に刺します。

それがモニターに繋がっていて、筋肉を動かしたときに心電図みたいな感じで波が出ます。

これを腕やら脚やらにぷすぷす刺して、いい波が出るところをぐりぐりさぐり、

「はいー力入れてみてー。今度は抜いてー。抜いて抜いてー。力入っちゃってるよー。」

と指示される検査です。

力を抜こうにも痛すぎて思わずこわばってしまうのです。

私は入院のお供として大き目のカピバラのぬいぐるみを持ち込んでいたので

(大人なのにすみません)

それを抱きしめながら検査に耐えていました。

悲しいとか不安とかでなく、ただ痛いだけで泣くという経験をしました。

片腕だけでも10か所程度刺すので、数日間に渡ってこの検査をします。

まさに地獄。

先生が病室まで「今日いける?」って感じで軽くお誘いに来るのですが、

全力でお断りしたい気持ちになります。

結局そのまま検査室に連行されるのですが。。。

 

そしてこの地獄の針筋電によって筋肉が悪いらしいと判明したので、

第2の地獄、筋生検へと進みます。

(ちなみに神経が悪いとなれば、これまた地獄の神経生検です)

筋生検は、悪い筋肉を取ってきて見てみよう!という実に原始的で野蛮な検査です。(口が悪くてごめんなさい)

この検査によっていくつかの型の筋ジストロフィーは確定診断がつきます。

それに当てはまらない場合は、この型の筋ジスではない、という診断がつきます。

取る筋肉は2センチ角程度。

サイコロみたいな感じに筋肉を切り取って取り出します。

想像するだけでおえーーーーー。

皮膚には局所麻酔をしますが筋肉自体に麻酔はできないので切り取るときは激痛です。

こどもの場合は全身麻酔をするそうなので、私も希望してみましたが、

大人の場合、全身麻酔のリスクの方が大きい、ということであっさり却下されました。

私は左上腕の筋肉を切り取りました。

ぼーっとする薬のおかげで記憶はないのですが、

処置中は「痛い痛い!!!!」とぎゃーぎゃー騒いだそうです。

で、翌日からも痛むので痛み止めを服用の上、

とにかく力を入れないように気を付けて生活しました。

うっかり物を持ち上げようものなら即激痛。

ちなみに気にしていた検査跡はしばらくすればそんなに気にならなくなりました。

パーツモデルとかでなければあまり気にしなくていいと思います。

 

これだけ痛みに耐えて分かったことは、

「筋肉に異常があって、筋ジスっぽいけど、筋生検で分かるタイプの型ではない」

ということでした。

なので、血液を改めて採取し、遺伝子検査へ。

そこで【顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー】と診断がつきました。

え???じゃあ最初から血液検査のみでよくない???

と思いましたが、そういうわけにもいかないそうです。

そんなもんなんですかね?

 

患者が多い疾患については検査方法も進化していきます。

がんが尿検査で分かる日も近いようですし。

針筋電、筋生検は患者にとって非常に苦痛が大きい上に、ただの検査。

それに耐えたからといって治るわけでもないのです。

せめて診断までは苦痛を伴わない方法になったらいいなぁと思っています。