筋ジスと

筋ジスのこと、たまには筋ジスと関係ないことも。思うままにつらつらと。

出産体験記~長男編~

今日は長男を出産したときのお話です。もう4年以上前の事なので色々忘れていることもありますが。

 

長男の時は有給が残っておらず割とぎりぎりまで仕事をしていて、産休に入ってからはただぼーっと毎日ソファの上でテレビを見て過ごしていました。妊娠前は産休中は時間があるだろうから、ベビー服作るんだぁとか家の片づけや模様替えするんだぁとか考えていたのですが、いざ妊婦になってみると、正産期なんてお腹が重すぎて動けません。いや、もう立ち上がれません。あと腹筋がないからか、割と早い段階からお腹が目立ち始めて後期ともなると、みんなに「もう出てきそうだね」と言われます。こんな状態でお散歩する人、階段上り下りをする人本当に尊敬します。素晴らしい筋力です。

 

 でも動かなくてもちゃんとお産はやってくるようで、予定日より10日ほど前の朝、ちょっとだけ出血がありました。「ん?これがおしるしってやつか?」と思いネットで検索すると、おしるし後、その日中に陣痛が来ることもあるし、1~2週間後に陣痛が来ることもあると。どっちやねん!!と思いつつ、ちょっとドキドキしながら、でもいつも通りぼーっと1日を過ごしました。

 

夜、夫が帰ってきて、一緒にご飯を食べて、またソファーでぼーっとテレビを見ていると、突然ジャーっと大量の何かが股から出ました。確か夜の8時ごろでした。慌ててトイレに駆け込み(その間垂れ流し状態)とりあえず止まるまで便座に座り、病院へ電話しました。「あのー何かがどばーっと出ました。多分破水だと思うんですけど・・・陣痛はまだだと思います。お腹は痛くないです。赤ちゃんは・・・動いてる気がします。」入院準備をしてとりあえず病院まで来るように、シャワーやお風呂は入らないでということだったので、すぐに事前に登録していたマタニティータクシーに電話して破水していることを伝え迎えに来てもらいました。それから病院の指示でパンツを産褥用に履き替え股部分に新生児用のおむつをあてました。(生理用ナプキンより新生児用おむつの方が羊水を吸収してくれるから)

 

夫が荷物を持ち、私はバスタオルを持って(羊水が出てきちゃうから拭く用)、2人でタクシーに乗り込みました。家から大学病院までは、夜で都心方面に向かったので45分程度で到着しました。夜間受付を通って産婦人科病棟へ行き、私はまず検査を受けます。やはり出ていたのは羊水で破水でした。なので抗生剤の錠剤を飲み、そのまま出産まで入院となります。子宮口は開いておらず(しかもまだ固め)、お腹もあまり張っておらず、初産だし生まれるのはまだ先だと思うとのことで、夫はいったん帰宅しました。これが月曜日の夜の話で、水曜日まで待ってみて陣痛が来なければ促進剤を使いましょうとのことでした。そして緊急時のために私(筋ジス患者)が入院したことを麻酔科、小児科にも連絡をして、私は陣痛室に移動。院内着に着替えてそのまま一晩過ごすことになりました。

 

ベッド1台置いてあるだけの何もない部屋で、やることがなくてとても退屈でした。出産中おしっこやうんちを漏らしちゃったらやだなぁと思っていたのですが、ありがたいことに陣痛室内にトイレがあったので無駄に何度も行き来しました。そうこうしている内に脚の付け根が痛いような重たいような感覚がしてきて、トイレに行きすぎていることを心配してやってきた助産師さんにそれを伝えると「前駆陣痛かもね」とのこと。「定期的にお腹が痛くなってきたり、痛みがひどくなってきたり、いきみたくなってきたりしたら陣痛だから教えて」と言われました。脚の付け根はずっとずーーんと重たいままだったので助産師さんが見回りに来るたびに伝えていたら、じゃあちょっとモニターつけてみようかとなり、モニターをつけてみたら、陣痛来てるわとなり、内診しましょうとなり、子宮口開いてきてるわ、となって、「もう生まれるから旦那さんに連絡して!隣の部屋まで行ける?あ、荷物は私が持つから!分娩台登れる?」とあれよあれよという間に出産の流れになりました。心の準備がまだですー。

 

分娩台によじ登って夫の携帯に電話をしたものの既に就寝中で出ず、メールで「生まれそう」と送って到着を待ちます。(その後、夫は朝5時過ぎにメールに気づき病院に駆けつけるのですが、到着時は割ともうクライマックスというか何というか。)立ち合い出産について、私は陣痛中は立ち会って背中さすったり汗拭いたり扇いだりして欲しいけど、いざ分娩時は取り乱したり、漏らしたりするかもしれないから外で待っていて欲しいと思っていてそれを夫にも伝えていたのですが、夫が到着するとそのままLDRに通されて出産時も立ち会っていました。なので肝心な痛いのをただ我慢するだけの時間はほぼ1人で頑張りました。陣痛の最終段階あたりで到着した夫は病院に置いてあったテニスボールでお尻を押してくれたりさすってくれたりしましたが、正直あんまり・・・。いないよりはいた方がいいかなという感じでした。でも生まれたて赤ちゃんを見ることができたのはよかったです。

 

私の出産した大学病院は無痛分娩なし、会陰切開は担当医師による(ほぼない)、導尿あり(次男の時はなしだった)、浣腸なし、剃毛なしでした。痛いのが嫌いで産むなら無痛でと思っていた私にとって、無痛分娩の選択肢がなかったのは辛かったけど、筋ジスのせいで病院を選べる立場ではなかったので仕方ないです。 

 

で、結局出産はどうだったかというと、4時間ちょっとの初産としてはかなりのスピード出産でした。いきむ力が弱くても(腹筋が弱くても)ちゃんと産めるようです。痛みがピークの時に「横になったらちょっと楽になるかもよ」と言われたけど、横にはなれなかったこと以外は順調に指示通りこなせました。ずっと心配だったうんちも漏れなかったし、叫んだり取り乱したりもしませんでした。ただ、そのスピード出産のせいで、会陰が裂けまくって産後それを縫ってる時の痛みが本当につらかったうえに、複雑に裂けすぎて、うまく縫えておらず入院中痛みを引きずり、退院前の診察で「これはダメです。縫い直しましょう。」となって一旦糸を抜いてもう一度縫い直したという後日談があります。思い出すと今もお股がきゅーんとなります。怖すぎる。

 

生まれてきた赤ちゃんも元気でした。出産時、頭が出てからかなり時間がかかったのですが(普通頭が出たらあとはつるん)、頭が出たとき目をぱっちり開けていたようで助産師さんが「目が合ったー(ハート)」と言っていてLDR内が和みました。そのままずっとお股に挟まっていたわけですが。

 

新生児は朝青龍鶴瓶ガッツ石松に分類されるようですが、我が子は紛れもないガッツ石松派でした。

 

産んだ後はそのまま2時間くらいLDRで横になって休んだあと、LDR内のトイレに行っておしっこを出す練習(出産後は尿意を感じにくくなるため)をして、病室へ移動しました。担当助産師の強い勧め(ほぼ強制)で個室に入院して、翌日から怒涛の育児訓練が始まるのですが、その話はまた後日。