筋ジスと

筋ジスのこと、たまには筋ジスと関係ないことも。思うままにつらつらと。

障害者になってからの恋愛

今日は恋のお話。

 

昨日、悲劇のヒロイン期について書きましたが↓、

 

underg.hatenablog.com

 

どうも治らなそうだ、障害者になりそうだと分かった時、悲劇のヒロイン期キャンペーンの一環で恋愛も諦めることにしました。

 

私の場合、恋愛の延長線上に結婚があったので相手に負担を強いる(家事とかの日常生活もそうだし、将来の介護もそうだし)結婚は、愛があってもお互いに苦しいだろうし、遺伝性の疾患だった場合、子どもを諦めるべきだと思っていたので、相手やその家族にそれを受け入れてもらうのも難しいと思っていました。また進行スピードも分からないので、将来の見通しが立たない状態で、将来の約束をするということはできないと思っていました。

 

もし結婚するとしたら、石油王の第5夫人くらいで、家事はお手伝いさんがやってくれて、子どもは他の奥さんが産んでくれるならいいな(私の存在意義は!!!?)とか、60歳くらいになって相手もそれくらいで体の衰えがお互い様で老後を穏やかに過ごすパートナーがいたらいいな、とか考えていました。お互い60歳なら子どもも望まないでしょうし。

 

あと思うのですけど、恋愛ってある程度自分に自信がないとうまくいかないのではないかと。昔、すごくすごく好きで長年憧れている人がいて、ありがたいことにいい感じになったのですが、自分に自信が持てず卑屈になってしまって、うまくいきませんでした。ほら、私って好きって言われた方がうまくいくタイプで(知らんがなという話ですが)。健康な時ですら、好きな人の前で自信が持てないのに、障害があるとなおさら難しいです。私じゃなかったら色んなところに行けるのに、私じゃなかったら家事とかテキパキやってくれるだろうにとかどうしても考えてしまうのです。まさに悲劇のヒロイン!

 

私が夫と知り合ったのは最初の職場で私の病気が発症する前でした。当時夫には彼女がいて、私には好きな人がいました。なので仲のいい同期の一人という感じでした。付き合い始めたのは私が退職して筋ジスが分かってからです。夫も恋愛は結婚が前提という価値観の持ち主です。悲劇のヒロイン期を乗り越えてどうして付き合ったのか(つまり結婚を考え始めたのか)ということですが、1番大きかったのは一緒にいて2人とも楽しかったことかなと思います。デートというか、2人で定期的に遊びに行くようになってから、付き合おうと決めるまで1年かかりました。その間、動物園とか水族館とか映画とかいろんなところに行きましたが(今思い返すと、中学生みたいなデートですね。。。)、どこに行っても楽しかったのです。あと、私は好きな人の前では緊張して食欲不振、体調不良、動悸息切れ、挙動不審になってしまうのですが、夫は元々ただの友達期が長かったので、デート中もご飯をもりもり食べられたし、自然体でいられたのです。(決して好きじゃなかった訳ではないと思いたい)

 

私がずっと不安に思っていた家事についても「あ、そう?じゃあ俺が全部やるわ」という反応、子どもは「別にいなくても2人で生きていけばいいよ、楽しいし」、将来の介護は「ちょっと分からんけどなんとかなるんじゃん、やるやる」という感じでした。あまりに軽い反応に、ちょっと!それ、どれくらい本気!?あなたのお母さんデキる専業主婦で何でもやってもらってるじゃん!家事出来る?実際やる?私がやらなかったらイライラしない?いざ周りに子どもができたらいいなあって羨ましくならない?老後のんびり過ごすつもりが介護の日々になったら嫌じゃない??と私も問い詰めましたが、「いやーその時になってみないとわからないけど多分大丈夫ー」という感じで、だんだん私の方が「あれ?私が深刻に考えすぎ?病気とか障害って大した問題じゃないのかな?」と錯覚してきました。

 

私、昔からとても周りに影響されやすい性格で、夫(当時は彼氏)と過ごすうちその楽観的な思考回路が自分にも伝染して、「ま、何とかなるか!未来は今の積み重ねだから今が楽しいのならきっと未来も楽しいはず!」と考えるようになって交際を開始しました。

 

交際中は遠距離恋愛の期間も1年程度あったのですが、幸いお互いにもてるタイプでなかったので、大きな喧嘩や破局の危機もなく、割と順調に結婚までいきました。結婚生活も今のところ順調です。子どもができて喧嘩(というか些細なイライラ)は増えましたが。「俺がやるよー」と言っていた家事は100%とはいきませんが、7:3くらいの割合で夫がしています。有言実行。

 

振り返って思うのは、夫と出会えたことが自分にとってはラッキーだったなと。夫は障害のことをほぼ気にしていません。なので私もあまり気にしていません。(ほら、流されやすい性格だから)自分のことのように真剣に悩んでくれて、そうだよね、大変だよね、不安だよね、これからどうしていこうか、ととことん話し合える人がいたら、それはそれでとても素敵なことだと思います。でももしそんな毎日だったら私だったら疲れちゃうかな、と思います。結婚生活がうまくいくかどうかもやってみないとわからないし、病気がどれくらい進行するかもその時になってみないとわからない。だったら、今、恋愛したいと思うんだったらしてみたらいい。

 

あと、悲劇のヒロイン期に私は「障害者になってしまったからもう恋愛なんてできない」と思っていたのですが、よくよく考えてみたら、健康な時も別にそんなにモテてなかったし、恋愛に積極的な性格でもなかったわ、っていう。だから、結局自分の心と、相手次第で障害は関係ないのかもしれないです。自分の好きになった人が、障害者との恋愛は考えられませんっていうタイプだったらそれは残念だけど、ご縁がなかったというだけのこと。あなたのようなペチャパイはタイプじゃないんですと言われるのとあまり変わらないかなと思います。恋愛が人生の全てではないし、別にしなくても幸せに生きていけるけど、障害を理由に諦めて、それが不幸だと思っているなら、何とかなるかもしれないよー、夫みたいに障害が気にならない人も稀に存在するみたいだよーということをお伝えしておきます。

 

ちょっと夫のことを褒めたので、今日は夫に優しく接することができそうです。